スーパーバイザーたかし


たかしは電車の中で涙した。なぜ、電車に乗るときは誰も居ない席をわざわざ歩いてまで見つけて乗るのに、乗客が増え始めると途端に自分の横に誰も乗ってこない事に不安を覚え、逆に隣に座ってほしいとさえ思うのか。隣に座っていた乗客が別の席が空いた途端に席を移動したときの、あの切なさは何なのか。たかしは思考した。例えば、隣の席から人が居なくなった空虚感を補うために隣に人形を置いてみてはどうだろうか?いや、それでは人形が二人になってしまうとたかしは思った。たかしは自分がなぜ涙しているのかを考えた。何十分も思考し、終点付近でたかしは目を背けたい一つの結論を見出した。たかしはずっと、自分が一匹狼だと信じて生きてきた。友達がWiiUでマリオカートをプレイする中、初代プレイステーションでアーマードコアをプレイしていたし、みんなが流行りの曲を聴いている中、海外のハードロック系のバンドを聴いて悦に入っていた。その他様々なことでたかしは一匹狼を演じ続けていた。それを逆張りだとか、協調性が無いとか、変なやつだと言われても、それが誇りだとさえ感じていた。だが、今たかしの脳内のニューロンが導き出している答えは、それとは逆とも言えるものだった。今までの逆張りはただかまって貰いたかっただけだったのではないか、一匹狼を演じているつもりが、実際のところは自己顕示欲という牧羊犬に追い立てられた羊だったのではないかと、そう告げていた。たかしは、それを認められなかった。数十年の生活の中でそれは性格となり、既にたかしという人格を形作る一つになっていた。いったいどれほどの時間をその無駄な欲望で埋めてしまったのだろう。その時間の価値を感じ、今ふと考えた問いも普通の人であれば考えることすら無いと理解した刹那、一筋の涙が頬を伝ったのだ。たかしは顔を手で覆った。数十秒後、手を顔から剥がすと、斜め前の席に自分がいた。彼は無表情でじっと進行方向後側を見つめていた。瞬きをすると、彼は消えていた。線対象だった。

大問5.
OSI参照モデルから、隣接する機器同士を通信する層の名前とレイヤーを答えよ (2点)

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